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僕は誰も、信じない――――――
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物心ついたとき、人は人であることを悟る。
序曲はそれまで。
幕引きまで、物語は終わらない。
されど、輪舞曲は踊る。踊る。踊る―――――
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輪廻の如く日々は繰り返される。懲りぬのか。または、踊らされている事に、気付いていないのか。
客席は零。
君を観る者なぞ、とうにいないというのに。
その姿は、何故こうも愛らしく、哀らしいのか?
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『謳え!舞え!
全てはいつかの、終局《フィナーレ》の為に!』
哀しいばかりに嬉々と叫ぶ。その瞳は硝子玉か。
澄まない濁りは奥底を隠す。
あえて汚れようと、心から笑えるように。
クライマックスはまだまだ先だ。
勇者は天へ還る為に、一歩二歩。終わる為に、終幕を望む。